6/18。神戸市『ふつうの家01』現場へ。
内外装の下地と設備の工事が進行中。アルミサッシの取り付けはほぼ完了。
写真は1F北西角のリビングルーム。横長の窓が上下に連なった最奥にキッチンカウンターがやって来る。作業をなさっているのは電気屋さん。照明やコンセントの配線がかなり進んだ。
1F北東角ではユニットバスルームの設置がほぼ完了。写真右寄りにあるベージュの箱がその外観。
写真左がユニットバスルーム内観。ふつうの、真っ白の、安価なお風呂。これをオーダーしようとすると、ラインナップから品番から、こんがらがったことになるのが住設メーカーの不思議のひとつ。確認してひとまず安心していると、リビングルームではキッチンフードの換気配管の設置が始まった(写真右)。
写真は2F南西角のテラスから室内側を見たところ。割合贅沢な開口部になりそう。
電気工事と内装工事を直前に控えた2F室内はすっかり片付いた状態。いま、ここでしか見ることのできない木組みの光景は、なんだか幻の森のようだった。
6/5。神戸市『ふつうの家01』現場へ。
内外装の下地工事が進み、南側道路面から北側斜面への片流れ屋根を持つほぼ直方体の概形が姿を現しつつある。
2F北側の主寝室と和室を見たところ。アルミサッシの取り付けも進行中。
上の写真左が2F、右が1Fの階段まわり。狭いながらもそこそこ明るい空間にはなりそうだ。各階のトイレが近接するため、1F天井には配管がいろいろと。
1F北西角のリビングルームを見たところ。左ハイサイドライトの下は隣の空き地からの搬入口として当分開けておく予定。逆に南側を向くとこんな感じ。リビングルームに和室が隣接する。
そうこうしているうちに、2Fの外壁下地がずいぶん出来上がって来た。上は二枚目の写真の角度違い。窓の向こうにはジェームス山ふもとの住宅地がひろがる。
5/2。府中市美術館で『山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年』。江戸時代の人々による多様な「風景」の捉え方を紹介する展覧会。個人的にとりわけ記憶に残ったのが秋田蘭画の作家・小田野直武(おだのなおたけ/1749-1780)の一連の作品。小田野は平賀源内のもとで西洋画を研究した経歴を持つ。深い陰影をたたえた写実的な描法と大胆な余白を用いた構成。独特の空間感覚を伴う無国籍で叙情的な画面は極めて個性的だ。曾我蕭白が持てる技法をこれでもかと詰め込んだ六曲一双の大作『月夜山水図屏風』も期待以上の凄さ。
同日。青山・CLEAR GALLERYで『スズキユウリ The Physical Value of Sound』。アナログレコードの仕組みをバラバラに解体、再構成したガジェットの連作。単なるサウンドインスタレーションであることに留まらず、軽やかにメディアを越境してゆくコンセプトが実に痛快だ。それは塩化ビニルの円盤に極細の溝を与えた彫刻であり、無形の情報そのものでもある。
5/3。パナソニック電工汐留ミュージアムで『恵みの居場所をつくる ウィリアム・メレル・ヴォーリズ』。ヴォーリズのデザインする建物は、機能上・宗教上の要請に基づいて細部を丁寧に集積してゆくことで、いかにも自然に立ち表れる。その佇まいは、一定のシステムで全体を貫こうとする今時の建築的な力技からは見事に切り離されており、自由で、風通しの良さを感じさせる。大丸心斎橋店以外の作品を実際に見たことがないのは問題だ。いつかちゃんと訪ねてみなくては。
5/15。六本木・サントリー美術館で『一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子』。江戸末期の数十年のみ興隆した薩摩切子の全貌を概観。冒頭では薩摩切子のスタイルに直接影響を与えたとされるアイルランドとボヘミアのカットガラスをそれぞれいくつか見ることができた。ポスターなどの主要なビジュアルとして用いられていた『薩摩切子 紅色被皿』は直径18cmあまりの小品ながら、その妖しさは想像を遥かに超えるものだった。もし復刻されたりしたら後先考えずに買ってしまいそうで恐ろしい。篤姫所用と言われる『薩摩切子 雛道具 1式』のミニチュア精度にも驚愕。
5/21。京橋・INAXギャラリーで『チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925』。ヨーロッパのデザイン・建築においてモダニズムが勢いを増す最中、よりヴァナキュラーなスタイルを目指し、当時オーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあったチェコで模索された「キュビズム運動」を紹介する内容。ヨゼフ・ホホル、ヨゼフ・ゴチャール、パヴェル・ヤナークの3人の作品が展示の中心。左官で仕上げられ、入り組んだ幾何学面の構成を特徴とする建物は、総じて簡素であると同時に今なお新鮮で力強い印象を残す。直接の関係は無いものの、その造形感覚がどことなくレーモンドに共通するように思われるところが面白い。
同日。松屋銀座7Fデザインギャラリー1953で『イラストレーター河村要助 good news』。雑誌『Bad News』の表紙でお馴染みの河村氏の原画を小さなスペースにどっさり詰め込んだ展覧会。路上の猥雑な臭いが漂い、音楽が聞こえてくる。都会のプリミティブアート。
同日。ギンザ・グラフィック・ギャラリーで『矢萩喜從郎展 Magnetic Vision/新作100点』。槙文彦氏や谷口吉生氏とのコラボレーションでも有名なクリエーター、矢萩氏のグラフィックアート展。同じコンセプトでデザインされた同サイズの大判ポスターが1FとB1Fのスペースに至って単純に並ぶ。写真画像は網点がひとつひとつ判別できるほどに拡大されており、その中央にある白く縁取られたサークルの中に縮小されたイメージが収まっている。ポスターを見るに連れ、周辺から中心へ、中心から周辺へと視覚はダイナミックに誘導され、幻惑される。極めつけにクールで暴力的だ。
5/27。乃木坂・ギャラリー間で『20 クラインダイサムアーキテクツの建築』。既成の行灯看板を流用した作品展示と、クリスタルガラスにミニチュア建築を封じ込めたオーナメントたち。作品それぞれのコンセプトを伝える目的はほぼ放棄されている。ディスプレイとしては楽しい。
同日。西麻布・ギャラリー夢のカタチで『「倉俣史朗 To be free 」藤塚光政展』。倉俣作品の記録であると同時に、写真作品としての圧倒的な力を痛感させる直球の展示手法。二十数点のなかでも個人的に最も惹き付けられたのが『Carioca Building』。1971年当時の銀座の街並、ガラスとアルミのビルファサード、ミニマルなカフェのインテリア、それらを行き交う人々がモノクロの画面に重層する。商店建築1971年11月号に掲載されている写真だが、プリントのもつ迫力は別物だ。何としても購入せねばと売価を尋ねてはみたものの、先立つものが全く足りず断念。いつか必ず。。。
本日・6月27日に開催予定だったトークイベント『OVE インテリアレクチャー第3回/商環境デザイン史外伝・その2/インテリアデザインと建築とは別物ですか?』は、会場の都合により中止となりました。お申込みいただいた皆様、当日お立ち寄り下さるご予定だった皆様に深くお詫びを申し上げます。
中止となりました・6/27にレクチャーやります(April 27, 2009)
中止のご連絡(6月25日/OVEよりメールにて)が急なものとなってしまったことを含め、この件については私たちも当事者として大変申し訳なく思うと同時に残念でなりません。今後は会場を移して、より身軽で、かつ充実した内容のイベントをご案内してゆきたいと考えています。
来る7月19日(日)の『るるる、とインテリアレクチャー/商環境デザイン史概論 Ver.2.0/インテリアデザインは進化してるんですか?』のお申し込みはまだまだ受付中です。こちらは私たちが急死したり急病になったりでもしない限り、間違いなく予定通り開催いたします。皆様お誘い合わせの上、お気軽にどしどしお越しいただけましたら幸いです。
お申し込み受付中・7/19にレクチャーやります(June 2, 2009)
本日のトークイベントへのご参加予定だった皆様には重ね重ね心よりお詫びを申し上げます。また、過去2度のイベントの機会を下さったOVEの皆さんに心より感謝を申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
6/20に『元浅草勉強会 03』が開かれました。今回はご参加いただいた萩原修さんからも貴重なお話を伺うことができ、おかげさまで今まで以上に内容の濃い勉強会になりました。大変ありがとうございます。皆様、どうもお疲れさまでした。
『元浅草勉強会 03』でご提供したお茶とお茶請けは下記の通りです。
・在来種 煎茶(越後村上・富士美園・飯島剛志作・2008)
・ほんまもんむぎ茶(JA香川県・2008)
次回『元浅草勉強会 04』は7/25(土)14:00からの予定です。詳細が決まりましたらこちらでお知らせします。皆様のお越しを楽しみにお待ちしています。
love the life / stady(元浅草勉強会)
元浅草勉強会 03 詳細(June 1, 2009)
5/1。神楽坂フラスコで『スイッチ寄席』。春風亭百栄師匠の会。『新生徒の作文』、『お血脈』、『天使と悪魔』。
着物展示会のイベントとして、ギャラリーショップ奥の座敷に高座を設えて行われた落語会。アウェイな状況を意識され過ぎたのか、ことごとく噛み噛みに。最後の根多でようやく復調。内幸町以来久しぶりの『天使と悪魔』が嬉しい。真打昇進からしばらく経って、まるで落語好きの青年に戻ったような百栄師匠がなんだか可笑しかった。
5/3。よみうりホールで『立川談志独演会』。立川談修さんで『看板のピン - なすとかぼちゃ(踊り)』、談志師匠で『短命』、仲入り、談志師匠で『金玉医者 - 女給の文(焼き肉屋版)』。
声の調子がずいぶんと良好なご様子で一安心。それにしても、こんなにさらりとした談志落語を立て続けに聞いたのは初めて。『短命』では浪曲でガラガラ声のくだりさえカットしてシンプルに。極めつけに軽妙かつ馬鹿馬鹿しい『金玉医者』ですっかり幸せな気分に。最後は改作『女給の文』で思い切り毒をまき散らして終了。下ネタ三連発。なのになんだろうかこの爽やかさ、可愛らしさは。
5/5。鈴本演芸場で『五月上席 権太楼噺爆笑十夜』の第五夜。林家正楽師匠で紙切り、柳亭燕路師匠で『初天神』、柳家甚語楼師匠で『黄金の大黒』、古今亭菊之丞師匠で『棒鱈』、昭和のいる・こいるで漫才、三遊亭歌武蔵師匠で『だるま』、柳家小三治師匠で『二人旅(ににんたび)』、仲入り、鏡味仙三郎社中で太神楽、春風亭正朝師匠で『家見舞』、柳家紫文師匠で粋曲、柳家権太楼師匠で『幽霊の辻(ゆうれんのつじ)』。
菊之丞師匠の『棒鱈』が絶品。こんなにカラフルな根多だっけ?と目を疑うほどキラキラしたイリュージョンな高座だった。寄席でお目にかかるのは初めての小三治師匠。なんとも長閑なリズムが心地良い。紫文師匠を拝見するのは初めて。松鶴家千とせ師匠を彷彿させる超絶なナンセンスさにシビれる。『幽霊の辻』は小佐田定雄先生の新作で二代目枝雀の得意根多。権太楼師匠のバージョンはいくつか新しいエピソードを追加してからりと除湿。サゲもかるーく笑わせるかたちとなっていた。今後さらに変化してゆきそうで楽しみ。
5/14。浅草橋区民館で『鳥越落語会』。柳家喜多八師匠の会。春風亭昇吉さんで『もみじ水産』、喜多八師匠で『旅行日記 - 愛宕山』、春風亭百栄師匠で『マザコン調べ』、仲入り、喜多八師匠で『遊山船(ゆさんぶね)』。
昇太師匠のお弟子さんは月に一本新作をつくらなくてはならないとのこと。そりゃ大変だ。『旅行日記』はどなたの作だろうか。喜多八師匠にぴったりのブラックで風刺の効いた根多。『愛宕山』は前半をバッサリ省いて茶店に着いてからのエピソードをたっぷりと。百栄師匠は客層を測りかねたのか、まくらで手を替え品を替え。満を持しての『マザコン調べ』はキレ味抜群。『遊山船』は上方の噺。一昨年のざこば師匠に続いてまさか喜多八師匠で拝見できるとは。『愛宕山』といい、師匠ならではの発作的な台詞運びが間抜けなキャラクターに見事にハマる。
5/25。なかのZERO小ホールで『瀧川鯉昇独演会』。鯉昇師匠で『船徳』、立川志の輔師匠で『バールのようなもの』、仲入り、両師匠の対談、鯉昇師匠で『武助馬(ぶすけうま)』。
鯉昇師匠のふわふわした雰囲気が徳さんにぴったりの『船徳』。川に出てからの描写が細かくて笑いの切れ目が無い。死ぬー。やっと拝見できた『バールのようなもの』は、『やかん』をベースとするシンプルな展開の中に、風刺、不条理、追いつめられる男、と言った志の輔落語に欠かせない要素がさらりと盛り込まれた自作の新作。カッコいい。方向性は違えど、つかみどころの無い者同士の対談は、オムライスのエピソードでひたすら爆笑。ドタバタの中にのんびりした雰囲気漂う『武助馬』でこれまた死にそうになる。
5/27。みたか井心亭で『寄席井心亭 数えて百六十八夜 皐月』。立川志らく師匠の会。立川らく兵さんで『十徳』、立川志らべさんで『粗忽長屋』、志らく師匠で『目薬 - 義眼』、仲入り、志らく師匠で『たちきり』。
『目薬』の後日談としての『義眼』。ややグロテスク、かつ素晴らしくナンセンス。これぞ志らく落語、の高座にいきなりガツンとやられたが、続く『たちきり』のショックはさらに大きなものだった。元来ドラマがあるような無いような、救いのあるような無いような噺の後半を大胆にアレンジ。小糸のか細い独白が胸に迫り、鳥肌が。なんという凄み。そして優しさ。
5/30。三鷹市芸術文化センター星のホールで『柳家喬太郎みたか勉強会』。柳家小ぞうさんで『粗忽の釘』、柳家喬の字さんで『棒鱈』、喬太郎師匠で『へっつい幽霊』、仲入り、喬太郎師匠で『青菜』。
皆さんそれぞれに勉強モード。こんなのんびりした会もなかなか良い感じ。かなり緊張気味ではじまった喬の字さんの『棒鱈』は終わってみればほぼ完成された印象。喬太郎師匠は最初に小ぞうさんを呼んで小太郎襲名の紹介。無言で土下座したりすねた仕草をしてみたりの小ぞうさんが可笑しかった。『へっつい幽霊』は銀ちゃんの不思議キャラぶりがナイス。『青菜』は極悪な女房に爆笑。
5/26。『BROZER'S』を出て甘酒横丁を人形町駅方面へ戻る途中、閉店間際の『柳屋』に滑り込み。1916年開業のたい焼き店。こちらも伺うのは初めて。
店は二間ほどの間口の低層ビル1F。たい焼きのバーナーが通りにややはみ出すようにして置かれ、奥がキッチンと作業場。それらの左脇に間仕切りを隔てて通路のような空間があり、購入客はそちらへ並んで順番を待つ。単純ながら、通りに行列を出さない上手いシステムだ。5、6人の列の後ろに並んだところ、ものの数分で注文、さらに1分ほどでたい焼き4個を受け取ることが出来た。バーナーを担当するのはたったひとり。しかもはさみ状の一個型を使っているにしてはかなりのスピードではないかと思う。リズミカルに膝を屈伸しながら焼き上げる店員氏の姿が印象的だ。
日本橋劇場のロビーで早速かぶりつく。何より特徴的なのは皮の質感。薄手ながらもちもちとしたコシがある。やや水分少なめのつぶあんとの相性は完璧(断面はこちら)。外はパリッ、中はやわらかの『浪花屋』とはまさしく真逆のベクトルを持つ。同じ製法のたい焼きでもここまで違うものが出来るとは驚いた。
残りをアトリエに持ち帰り、オーブンであぶって食べてみてまたびっくり。今度は皮がパリッと香ばしくこれが実にいい。『柳屋』のたい焼きには、出来立てと数時間後(要オーブン)の二度、美味さのピークがやってくるようだ。なんとも奥が深い。
柳屋/東京都中央区日本橋人形町2-11-3/03-3666-9901
12:30-18:00/日祝休
5/26。『市馬落語集』を見に人形町へ。早めに到着して『BROZER'S』で食事。2000年開業のハンバーガー店。オーナーはオーストラリアの店で経験を積んだ人物と聞く。駅から甘酒横丁を東へ向かい、ふたつ目の信号を左折。ほどなくマンションの1Fにぺたっと貼り付けたような木造作の赤い店構えが現れる。
ドアを開けると左手にキッチン、右手のフロアに集成材のテーブルと30ほどのスチールチェアが並ぶ。内装は店構えと同様に赤くペイントされ、これと言った目立つ造作の無い至って簡素な設え。壁にいくつも掛かったフレームの中の映画のポスターはどれも「兄弟」に因んでいるようだ。ベーコンチーズバーガーとアボガドバーガーを注文。
ハードロックをBGMにしばらく待つと、大皿にフライドポテトとオニオンリング、ピクルスを伴って、高さ10cmを越えるハンバーガーがどかんと登場した。上の写真はベーコンエッグバーガーのアップ(全景はこちら)。
上の写真がアボガドバーガー全景(アップはこちら)。
テーブルに置かれたハンバーガーペーパーに包んでかぶりつく。ジュシーで風味に富む具材のどれも素晴らしいこと。比較的軽めに焼き上がったバンズのおかげか、大きさのわりに意外に食べやすい。食感といい味といい、突出したところがどこにも無く、渾然一体の美しいバランスを保ちながら、あっという間に胃袋へと収まった。強力なビジュアルからは想像だにしなかった上品さ。美味い。
この様子だと、どのメニューを頼んでも完成度の高いものをいただけるに違いない。パインバーガーにチキンバーガーにチリビーンズバーガー。人形町での食事はしばらくここで決まりかも。
BROZER'S/東京都中央区日本橋人形町2-28-5/03-3639-5201
11:00-21:30LO(日祝-19:30LO)/不定休
5/22。神戸市『ふつうの家01』現場へ。上棟を翌日に控え、敷地の周囲に足場が組まれていた。コンクリート基礎の上には大引、根太、床板の合板、それから雨よけのビニールシート。
5/23。まずまずの好天。午後過ぎに再び現場へ。2階までの構造が、まさしくこつ然と姿を現した。一日で軸組をやってしまうと聞いてはいたものの、そのスピードとクレーンの大きさに気分が盛り上がる。盛り上がりついでに勝野転倒。ヒザと鼻柱を負傷し、職人さんに余計な心配をかける事態に。
恐縮しつつ、2階へ上がったりしてみる。北側斜面を見下ろすとなかなかの眺望が広がっていた。頭上では職人さんたちは命綱も着けずに15cmほどの幅の梁をすたすた移動しながらてきぱきと部材を組んでゆく。その姿は実にカッコいい。気持ち良さそうだなあ。しかし自分がやることを想像すると足がすくむ。とても無理だ。
部材の包み紙には「祝新築」、「家運繁栄」の文字。
ずっと見ていたくなるようなダイナミックな光景ではあったが、これ以上お邪魔にならないよう夕方前に退散。この日のうちに屋根の合板下地までが出来上がった。
7/19(日)に一般公開のレクチャーをやらせていただきます。昨年9月に行われたレクチャー『商環境デザイン史概論』をややコンパクト化、かつ新ネタ投入でバージョンアップ、さらにぐーんと料金を下げての再演です。学生の方には特にご参加いただきやすいんじゃないかと思います。love the lifeの研究資料を大画面でご覧いただきつつ「インテリアデザイン愛」満載の辛口漫談をお楽しみ下さい。ワンデイカフェチーム「るるる」の皆さんによる美味しいコーヒーと軽食も付いてます。
るるる、とインテリアレクチャー
商環境デザイン史概論 Ver.2.0
インテリアデザインは進化してるんですか?
話す人:ヤギタカシ+勝野明美 (love the life)
コーヒーと軽食 by るるる
2009.7.19(日)19:00-21:30 途中休憩あり
参加費:一般・1500円/学生・800円 コーヒー+軽食付
会場:世田谷生活文化情報センター「生活工房」4FワークショップA
世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー内
東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」三茶パティオ口からすぐ
定員:80名様 お申し込み先着順・定員になり次第締め切り
お申し込み・お問い合わせは love the life までメールでどうぞ
info@lovethelife.org
お名前、人数、お電話番号、一般・学生のどちらかをご明記の上、
件名を「7/19インテリアレクチャー参加希望」としてお申し込み下さい。
20世紀初頭、森谷延雄のヨーロッパからの帰国を機に本格的な展開を開始した日本のインテリアデザインは、1950年代以降の経済成長と建設ラッシュを背景に、「環境芸術」の一分野として世界にも類を見ない高度な発展を遂げてきました。とりわけレストランやカフェ、ブティックなどの商環境は、剣持勇、境沢孝、倉俣史朗らに代表される多くのデザイナーによる先鋭的な表現の場としての役割を果たしています。
黎明期から100年ほどを経て、インテリアデザインは一見隆盛ですが、そのことが私たちの暮らしに豊かさや驚きを提供してくれているかと言うと意外にそうでもありません。今やインテリアデザインは独自の進化を止め、流行の家具やインテリアアイテムの単なる羅列になってしまったようです。
このレクチャーでは、デザイン史上に「伝説」として記憶される商環境の数々をたっぷりと紹介しながら、その変遷を再評価することを通して、生活とインテリアデザインとの関係を捉え直す新しい視点を提供したいと考えています。デザインに詳しい方も、ぜんぜん詳しくない方も、「こんな店があったのか!」と、目からウロコをポロポロ落としつつ、どうぞごゆっくりとお過ごし下さい。
はたしてインテリアデザインは、もう一度進化を始めることが可能でしょうか。
皆様お誘い合わせの上どうぞお気軽にお越し下さい。
レクチャー@OVE 2008/09/05(November 1, 2008)
6/20(土)の14:00から『元浅草勉強会 03』を開きます。
ショートレクチャーのお題は『ミニマリストたち - 1970年代から・その1』。今回は現在に至る日本のインテリアデザインの本流のひとつを形成した作品の数々をご紹介します。それらはミニマリズムの影響を直接に受けた先人によって生み出されました。
倉俣史朗と言えば『ミス・ブランチ』に代表される夢想的なデザインを思い浮かべる方がほとんどかもしれません。しかしそのデザインの本質はむしろ70年代に展開されたミニマルな作品群にこそ存在します。さらにほぼ同時期、原兆英氏と原成光氏はより明快でスタイリッシュな手法によって、内田繁氏と三橋いく代氏はより繊細でコンセプチュアルな手法によって、その世界を力強く押し拡げてゆきました。彼らのデザインは輸入概念を越えて、ヴァナキュラーな「用の美」へと通じているように思われてなりません。
参考:
倉俣史朗の言葉(August 29, 2008)
内田繁の言葉(August 22, 2007)
内田繁 DANCING WATER(July 25, 2007)
西麻布・le bain(March 6, 2005)
ティータイムにお出しするオルタナ系日本茶はまだ未定です。
至って敷居の低い、ちいさな勉強会です。どなたもどうぞお気軽にお申込み・ご来訪下さい。
元浅草勉強会 03
ショートレクチャー担当:love the life(ヤギタカシ・勝野明美)
テーマ「ミニマリストたち - 1970年代から・その1」
・日程 :2009年6月20日(土)14:00より
・場所 :love the life アトリエ(住所などはこちら)
・お茶代 :一般 1000円,学生 500円
・各回定員:だいたい5名様くらい(申込先着)。
・申込方法:メールでどうぞお気軽に。
ご参加日、お名前、ご連絡先、ご参加人数、
一般・学生の区別をお知らせ下さい。
元浅草勉強会の概要はこちら。
5/21。京橋・INAXギャラリーで『チェコのキュビズム建築とデザイン』展を見た後、銀座・教文館のカフェでひと休み。1933年に完成したこの『教文館・聖書館ビル』はふたつのビルが最初から連結された状態で建てられている。中に入るのは初めて。設計はアントニン・レーモンド。奇しくもチェコ繋がり。
中央通りに面した外観は極めて控えめ。こちらのページ中段にある写真と比べると、そのモダンな佇まいは70年以上前の完成時からさほど大きくは変わっていないようだ。一部に施されたアールデコ調の装飾がテナントのファサードやネオンサインに隠された分、元来の匿名性がより高まったのは、果たして幸か不幸か。
装飾を最も良く残しているのが聖書館のエントランスホール。上の写真がその奥側からの見返し。装飾部分のアップはこちら。エントランスホールを抜けると中央の壁でふたつ分かれた階段室がある。こちらの写真左側が教文館ビルで右側が聖書館ビル。
上の写真がその階段室。どうと言うことはないが、不思議に魅力的な空間だ。上階のエレベーターホールも両ビルの共用となっており、往時の面影がわずかに感じられる。
上の写真は4Fの『CAFEきょうぶんかん』にある中央通り側のカウンター席からの眺め。もとは6Fにあったのだそうで、2006年3月にこちらへ移転したとのこと。白漆喰とダークな木造作の内装が東からの自然光とうすぼんやりした照明に浮かび上がる。壁には小沼充氏の手による可愛らしい左官の装飾。コーヒーもお菓子もリーズナブル。銀座の真ん中にこんな場所があるのは嬉しい限りだ。重宝しそう。
CAFEきょうぶんかん/東京都中央区銀座4-5-1教文館ビル6F/03-3561-8708
11:00-19:00(日13:00-19:00)/水休