5/26。『BROZER'S』を出て甘酒横丁を人形町駅方面へ戻る途中、閉店間際の『柳屋』に滑り込み。1916年開業のたい焼き店。こちらも伺うのは初めて。
店は二間ほどの間口の低層ビル1F。たい焼きのバーナーが通りにややはみ出すようにして置かれ、奥がキッチンと作業場。それらの左脇に間仕切りを隔てて通路のような空間があり、購入客はそちらへ並んで順番を待つ。単純ながら、通りに行列を出さない上手いシステムだ。5、6人の列の後ろに並んだところ、ものの数分で注文、さらに1分ほどでたい焼き4個を受け取ることが出来た。バーナーを担当するのはたったひとり。しかもはさみ状の一個型を使っているにしてはかなりのスピードではないかと思う。リズミカルに膝を屈伸しながら焼き上げる店員氏の姿が印象的だ。
日本橋劇場のロビーで早速かぶりつく。何より特徴的なのは皮の質感。薄手ながらもちもちとしたコシがある。やや水分少なめのつぶあんとの相性は完璧(断面はこちら)。外はパリッ、中はやわらかの『浪花屋』とはまさしく真逆のベクトルを持つ。同じ製法のたい焼きでもここまで違うものが出来るとは驚いた。
残りをアトリエに持ち帰り、オーブンであぶって食べてみてまたびっくり。今度は皮がパリッと香ばしくこれが実にいい。『柳屋』のたい焼きには、出来立てと数時間後(要オーブン)の二度、美味さのピークがやってくるようだ。なんとも奥が深い。
柳屋/東京都中央区日本橋人形町2-11-3/03-3666-9901
12:30-18:00/日祝休