8/21。六本木・AXISギャラリーで『ナインアワーズ展 - 都市における新しい宿泊のカタチ』。京都市に2009年12月オープン予定のカプセルホテル『9h』のデザインプレビュー。柴田文江氏がクリエイティブディレクションとカプセルなどのプロダクトデザインを、廣村正彰氏がサインやアメニティ類のグラフィックデザインを、中村隆秋氏がインテリアデザインを担当なさるとのこと。
上の写真が会場全景。右側にカプセルが壁に収まった状態をグラフィカルに再現し、うち5箇所にカプセルの実物が展示されていた。黒い床に大きく表示されたカプセルの位置を示す矢印と番号が、即物的で実にいい。カプセル手前の天井スリット内に整列した照明なども、おそらく実際のインテリアに即したものと思われる。
図面を見ると、計画そのものは至ってまっとうなカプセルホテルそのものだ。2機のエレベーターを男女別にして乗降できるフロアを限定することで動線を分離し、シャワー、WCなどの設備をそれぞれ別のフロアに提供している。女性用水廻りフロアのプランが男性用と同じだとするとパウダースペースが不足する可能性が高いが、実際のところはどうなのだろうか。
細かいことはさておき、シンプルながらも質の高い共用空間がカプセルホテルにもたらされることの意味は大きい。簡潔で力強いグラフィックデザインも、大いに快適性を高めてくれるだろう。実際のところ、既存のカプセルホテルの弱点の大部分は、カプセルそのものではなくむしろ共用部分の貧弱さにあることは、泊まったことのある人なら誰しも感じているはずだ。
上の写真はカプセルユニットの外観。優しい曲面を描くFRPの造作はコトブキが製作を担当したとのこと。こうして見ると、なんだかメタボリズム、あるいはアーキグラムが連想される。
料金は一泊4900円とのこと。場所は四条寺町を下ったところで利便性は高そうだ。チャンスがあればぜひ利用させていただこう。