9/13。西新宿・OZONEで『山本達雄展 空間と家具の表情』。リビングデザインギャラリーが7Fの奥へ移ってからの最初のイベントとのこと。こちらへ足を運ぶのはずいぶん久しぶり。たぶん2007年の『関洋展』以来か。
上の写真が会場全景。白い床と壁に無数の黒ぶちがシート貼りされた空間。
その中にこれまた白地に黒ぶち模様のちいさなスツールがぽつぽつと点在する。まるでダルメシアンの子犬たちが気ままに走り回っているような光景だ。
スツールはスチールプレートとスチールロッドによる華奢な構造にフェルトのような細かい起毛のある塗装処理を施したもの。黒ぶちの輪郭は抜かり無くぼかされている。さらに秀逸なのがそのディテール。後脚にお腹、そして尻尾(!)。抑制された張りのあるラインで「生き物っぽさ」が見事に表現されている。ほとんど凶悪と言いたくなるくらいの可愛らしさ。持って帰りたい。
カウンターの脇には2009年のミラノサローネで発表された『バンビチェア』がふたつ並んでいた。こちらのデザインコンセプトもダルメシアンと同様。模様はさらに凝ったものとなっている。下の写真がそのディテール。
実際に腰掛けさせていただいたところ、どちらも軽快な見た目からは意外くらいに丈夫そうだった。ますます持って帰りたい。商品化の予定を訪ねると、表面処理の耐久性を確保可能な工程を検討中のため、現在のところはまだ未定とのこと。
優れた提案性と洗練されたデザイン手法に敬服。今後が楽しみな作品だった。大胆かつ直球なインスタレーションを含め、いまのところ2009年の個人的ベスト家具展。見逃さなくてよかった。
Tatsuo Yamamoto Design Inc.(山本達雄)