11/28、30と浅草『弁天』で夕食を採った。場所は観音裏。言問い通りを渡って雷5656会館を脇に見つつ柳通りを少し北上。見番の少し手前左手にサイディングパネルで覆われたいかにも簡素な住宅然とした構えが現れる。開業は50年以上前とのこと。
暖簾と引戸をくぐると通路を挟んで右手に4卓くらいの小上がり席があり、左手に間仕切りを兼ねた島型の小さな片側カウンター席が3つ4つ。さらに左にテーブル席が3つほど。通路の奥にパントリーと厨房がちらりと見える。クリア塗装の白木をあしらった内装は明るく、割合新しそうだ。
まず特筆すべきは何と言っても三枝師匠も一押しのにしんそば。澄んだつゆに浮かぶのは白葱と三葉とゆず。にしん煮は蕎麦の下に沈む(にしん煮を引き揚げたところ)。上品な出汁と蕎麦、そして風味濃厚なにしん煮を、別々にも一緒にも楽しむことが出来る。バランス良く、綺麗で美味い。
上の写真はかき南蛮。大振りの牡蛎にはおそらく薄く片栗粉で覆われており、しっかりとうま味が閉じ込められていた。
天せいろはボリュームたっぷり。
ざるにはせいろとは異なるやや甘めのつゆが添えられる。肝心の蕎麦も値段から期待した以上のものだった。
庶民派で仕事が丁寧。フロアを仕切るお姉さんのクールな応対も正しく「ちゃきちゃき」な感じで実に良い。なんでもっと早く来なかったのかと激しく悔やまれる。アトリエからはちと遠いが、今後通わせていただかねば。
弁天/東京都台東区浅草3-21-8/03-3874-4082
11:30-21:30/水休