1/17。両国・江戸博でいけばな展、清澄白河・深川番所で古田先生のイベントを覗いてから押上へ移動。『スパイスカフェ』に初めて伺った。木造アパートを改装したカレーレストラン。オープンは2003年とのこと。
浅草通り側に駅を出て、建設中の東京スカイツリーを間近に見上げながら水路沿いを東へ。十間橋の交差点を左折し、通りをしばらく進んで右手の住宅街へ。ほどなく路地の右側の雑然とした物置のような場所の一角に店の置き看板が現れる。その佇まいは気をつけないと季節外れのクリスマスディスプレイか何かと見間違うくらいに控えめだ。さらに簾と障子で出来た細いアプローチを奥へ進み、抜けたところがようやく店先。エントランス右脇のギャラリースペースが無ければほとんど古びた一般住宅にしか見えない。全くもって常識外れなロケーションに感心しつつ、ぐにゃりと曲がった木の棒を取手にしたドアを開けて店内へ。
過剰な隠れ家感の溢れる外観に比べると、内装はずいぶんと丁寧に仕上げられている。手仕事の跡が残るベージュの左官に暗色の木造作、電球色の光に包まれた店内に思わずほっとした。エントランスの正面には、これで本当に大丈夫なのか、と心配になるくらいにコンパクトなオープンキッチン。その左手のフロアにテーブル席が並ぶ。キッチン手前の中廊下を右に進むと突き当たりにWCがあり、その脇にギャラリースペース。この日は満席だったため、そちらで陶芸展を拝見しつつしばらく待たせていただくことに。幸い十数分でキッチンの見えるテーブル席に落ち着くことができた。ホールを仕切るのは3、4名の女性スタッフ。メニューの説明も応対も十分に行き届いており一層安心。ラッサムカレーとかきカレーのセット、サラダを注文。
写真は上がラッサムカレーで下がかきカレー。上質な出汁のインパクトを鮮やかなスパイスが引き立てる。実にシンプルでストレート。どちらも美味い。それにしてもかきとトマトがこれほど合うとは。デザートは柚子と大葉のシャーベットと金柑のタルト。これまたハイセンスな仕事で大いに満足させていただいた。
ワイルドな構えと品良い中身。この激しいギャップもこちらならではの味わいだ。次の機会には他のカレーメニューをいただきがてら、昼間の雰囲気を拝見してみるのも良いだろう。ぜひ予約して伺うとしよう。
スパイスカフェ/東京都墨田区文花1-6-10/03-3613-4020
11:45-14:00LO,14:00-15:00LO,18:00-21:30LO/月・第3火休