4/25。家事と仕事の合間に『虎屋菓寮』京都一条店まで散歩。和菓子店『とらや』の喫茶スペースとして2009年に開業。建築デザインを内藤廣建築設計事務所が手掛けている。場所は御所のすぐ西側。烏丸通りを一条通りで左折すると、広い間口に低い妻屋根を乗せた建物が現れる。
上の写真がその外観。左側にある蔵のような棟がギャラリーで、この日は富岡鉄斎展が開かれていた。建物の下半分を覆う白い部分は漆喰ではなく凸面状の白いタイル張り。微妙にもこもこした表情は、でっかい木綿豆腐を連想させる。
一方、菓寮の棟は高さを抑えられており外観のデザインも至って控えめ。しかしその内部には思いも寄らぬ大胆で広々とした空間がひろがっていた。
木製アーチの連続で構成されたヴォールト天井を南北端の細い鉄骨が支える様子は実に軽やか。トップライトを含む自然光と間接照明が開放感を一層引き立てる。その中に点々とアクセントを加えるコンパクトなペンダントライトは『とらや』のロゴを象ったもの。
北側の窓は庭に面しており、軒先にも席が設えられている。新緑を眺めくつろぎつつ、抹茶グラッセと菓子のセットをいただいた。
菓寮とは別に、烏丸通りに面した建物が物販棟として使用されている。こちらは改装ながらデザインはやはり内藤廣建築設計事務所によるもの。さすがに手堅く美しい(壁付サインの写真/物販カウンターの写真)。
菓寮はラストオーダーが17:30と営業時間が短いのが残念だが、考えてみればあの空間の魅力を存分に味わうには日の光が欠かせない。アトリエに籠ってばかりいないで、たまには昼間に贅沢をしに伺おう。
虎屋菓寮 京都一条店/京都府京都市上京区広橋殿400/075-441-3113
11:00-17:30(土日祝10:00-17:30LO)/元旦を除き無休