2010/8/6から一泊二日でインテリアデザインコース3回生の島根研修旅行。いろいろと巡った中でも8/7に訪ねた『出雲大社庁の舎(ちょうのや)』が最も印象深い。菊竹清訓建築設計事務所1963年の作。以下、写真はクリックで拡大。
バスターミナルから北へと向かい、土産物店を過ぎて神楽殿の手前を右へ。堀川を渡るとこの建物の南側(上の写真)に出る。こちらはやや南西側、こちらはやや南東側から見たところ。
上の写真は東側のほぼ全景。南北両端の階段部で支えられた2本の大梁に東西面のルーバーが立てかけられている。稲掛けをモチーフに明快な構造で表現された造形は極めて力強い。階段部のレリーフパターンがその象徴性をより一層高める。
東側中央やや右寄りにあるメインエントランスから通路を抜けて建物の西側へ出ると、左手いびつな壁面が突出し(上の写真)、刈穂をイメージさせる意匠となっている。こちらは右手のルーバーを見たところ。後付けの無粋な壁面緑化がなんとも痛々しい。残念。
上の写真はエントランスからすぐ左手に行ったところ。ここにはもともとイサム・ノグチがデザインしたオリジナルの巨大なペンダントライトがあったとのこと。お目にかかれずこれまた残念でならない。
照明はかなり少ないが、ルーバーを通した自然光のおかげで室内は明るい。上の写真はメインエントランス側(北側)を見返したところ。先ほどのいびつな壁面は左手の階段に合わせて構成されている。
シンプルで、かつ装飾的要素を十二分に消化した見事なデザイン。まさに名作。静かな感動がやがて大きく胸に迫る。
出雲大社は現在「平成の御遷宮」の最中で、全体の様子を拝見できるのは2016年以降(本殿の工事は2013年に完了予定)。また改めて伺うとしよう。
お久しぶりです。
菊竹さんですか・・・代謝建築論の
油がのりまくっている時期の作品ですかね
野心がひしひしと伝わってきますよね
建築家の人たちって何かに目覚めたように一時期に目いっぱい能力をフル稼働して
最終的には枯れた感じのデザインになりますよね
いい意味で枯れた感じですけど
どんどんシンプルになって
尚且つ主張所はきっちり主張してるような・・・
洋の東西を問わず
欲張らなくなるのかな??
>kiyoさん
時期的にはメタボリズム初期の作品ですが、まだ爆発前、と言ったところかと思われます。それだけに菊竹氏の造形・空間センスの源泉がダイレクトに感じられますね。いやはや、枯れてますます味わい深い建物でした。大事に使っていただきたいなあ。