2010/8/26。築地『魚竹』で昼食。1975年開業の小料理店。場所は築地二丁目交差点のすぐ近く。銀座からだと松屋のヴィトン側の角を築地方面へ。昭和通りと首都高を横切りながらひたすら行くと、黄色いテントに店名を記した間口二間ほどの小さな建物が見つかる。やや右寄りに暖簾と引戸。さらに右脇の電気メーター下にホワイトボードの品書き。招き猫などの小物だけがまばらに置かれたショーケースを左に見ながら店内へ。以下、写真はクリックで拡大。
入るとすぐ間口に平行して化粧板貼りのカウンター席がはじまり、右手で折れ曲がってずっと奥へと延びている。厨房も通路も店員も客も全てが至近距離で空間に余剰は皆無。内装についてはほとんど記憶に無い。ぶり照焼、鮪中とろ・もどりかつを刺盛の定食を注文。
上は鮪中とろ・もどりかつを刺盛。こちらが定食の全景。
上はぶり照焼定食の全景。ぶり照焼近景はこちら。
姿に何の衒いも飾り気も無く、ボリュームは少なめ。ただ魚の濃厚な味わいだけが口中に威勢良くひろがり、白飯とともに胃袋へと落ちる。潔く、実に美味い。
それにしても店内のそこかしこにある夜のメニューの貼紙が魅惑的だ。これはもうなんとしても再訪するより他は無い。
魚竹/東京都中央区築地1-9-1/03-3541-0168
11:00-14:00, 17:00-22:00/土日祝休
2010/8/25。渋谷のビアスタンド『STAND S』で夕食。山本宇一氏がプロデュースする丸の内『STAND T』の姉妹店で一号店。オープンは2008年10月。内外装デザインはKata(形見一郎氏)。以下、写真はクリックで拡大。
駅から文化村通りへ。東急百貨店本店を過ぎてさらにしばらく行くと、右手のマンション地上階に黄色っぽい光を放つ一角がある。向かって左側のテラス席と右側のカウンター席の間を抜けるようにして店内へ。
上は左側最奥のテーブルから見た店内全景。杉材の造作と蛍光灯混色のライティング、というデザインコンセプトは『STAND T』にも継承されている。天井は低めに抑えられており、単一素材に包まれた感覚はこちらの方がぐんと強い。マッシブで直線的な空間の印象を杉の質感がやわらげている。
料理やシステムも『STAND T』同様にゆるくて必要十分。
さらに2010/08/26。京都へ戻る前に『STAND G』で夕食。オープンは2010年7月。これにて遅ればせながら系列の3店舗をひとめぐり。こちらの場所は銀座と新橋のちょうど中間にあたる首都高下コリドー街向かいのテナントビル1F。
3店共通のデザインをここでは最も洗練された姿で見ることができる。シャープな造形性とひときわ大きな“G”のサインが印象的だ。
上はコリドー街に臨むテラス席で一杯の図。かつて渡辺力、剣持勇の両氏による共作のバー『機関車』が存在したこのエリア(参考:「銀座『樽』へ行くなら今のうち」)に、形見さんによる優れて21世紀型の商環境デザインが登場したことには感慨深いものがある。いつも通りの料理に女性スタッフの絶妙な応対、ウヱハラ夫妻との会話に癒されて京都への帰路に着いた。
STAND S/東京都渋谷区宇田川町37-16/03-5452-0277
17:00-24:00/無休
STAND G/東京都中央区銀座7-2-1/03-5537-0203
17:00-200/日休