2012/3/30。朝から『マスターズクラフト パレスホテル東京』現場へ。
到着するとフロア左手の床の上にクライアント工場によるオリジナルの織部釉陶器タイルがずらりと並べられていた。先日の実験を受けて400枚ほどのタイルすべてに酸洗浄が施されている。手仕事ならではの色合いのバラつきを生かして、配列の美しさを考慮しながら、一枚ごとの場所を勝野が決定。
下の写真は並べ方が決まった後に一部タイルのカットを行っているところ。現場に持ち込まれた工具では切断面の仕上がりが今ひとつ良くないことが分かったため、作業はこの後工場に持ち帰って行っていただくことになった。
午後からは施工ご担当イカハタさんの車で埼玉県草加市の塗装工場へ移動。最終工程の前に木工作什器類の状態をチェック。
今回の什器の主要部分にはセンの無垢材と突板(柾目)が併用されている。上の写真中央に集められているのは壁付の棚什器たち。背面にあたる部分の独特なフレーム形状が持つ意味合いについてはまた後日。
上は棚什器各部のディテール。独立したフレームを最少限のビスで繋ぎ木栓で隠している(写真左)。フレームにいくつか開けられた穴は可動の棚板を支えるダボをネジ止めするためのもの(写真右)。
上は可動の棚什器(写真左上)と意匠ポール(写真右上)。棚什器の隣におられるベージュの革ジャンにグラサンのイカす兄貴が五十畑社長。写真左下が意匠ポールのディテール。60mmの支柱に15mmの枝が各4本刺さっている。写真右下は支柱上面の様子。全部で14本のポールがこのネジ穴で天井面に固定される。
こちらはエントランスの左右両脇に置かれるステージ什器。下段がメラミン化粧板貼で上段がセン材。写真左下が下段上面2ヶ所にある配線カバー。写真右下が上段角のアップ。木口に無垢材、上下面に突板が貼られた様子。
こちらはフロア中央左手に置かれるショーケース。メラミン化粧板貼の本体にガラスケースが取り付けられる。写真右はガラス固定用の溝。こちらはエントランス正面に並べられるセン材のステージ什器たち。写真右は下部引出のディテール。前板の下端を斜めにカットして手じゃくりにした様子。
そしてふたたび現場へ。フロア左手最奥の壁面に先ほどのタイルが、カットの必要な部分を除いて、ほぼ貼り終わっていた。いい景色になりそうで一安心。
こちらの写真左上はこの日の天井の様子。照明器具の取付がほぼ完了している。店内のダウンライトの光源は全てLED。写真右上は壁沿いの間接照明ボックス。こちらの光源はシームレスライン(蛍光灯の一種)。二種の異なる光源が店内に奥行きを与えてくれることを期待。写真左下はミラー貼りを残してほぼ仕上がった壁面の様子。写真右下は先ほどのタイル面下にあるカウンター什器のディテール。上段引き出しと下段扉の間に什器の継目が目立つ。後日メラミン化粧板を貼って隠していただくことに。
床面の一部にはすでに仕上げのリノリウムが貼られはじめている。内装も工場制作物も、いよいよ完成形が見え始めた。次に来た時が山場だな。
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