2012/4/16。午後から『マスターズクラフト パレスホテル東京』現場へ。C工事完了に伴うクライアント、設計者、施工者が揃っての引き渡し手続き。
施工担当のイカハタさんから各所の取り扱い方法について説明を伺いつつ、工事の仕上がりをチェック。上は共用通路のエントランス正面から見た売場全景。中央にマスターズクラフト・五嶋社長、清水店長とイカハタ・五十畑社長。左寄りに勝野と緊張の面持ちのイカハタ・菅野さん。こちらは共用通路のエントランス左側から店を見たところ。手前角にあるガラス張りの白い空間はショーウィンドウ。こちらはフロア右奥から見た売場全景。
フロア右側壁沿いの什器使用方法を説明する菅野さん。ハンガーパイプは棚板と同じダボ穴を利用して取り付け・取り外しと高さ調整ができる。
フロア左奥から見た店内全景。照明・電気機器の説明書を受け取る清水店長。
エントランスから意匠ポールとステージ什器ごしにフロア正面奥を見たところ。壁の塗装の仕上がりを細かくチェック中の様子。
今回は予算の都合上、私たちが工事現場へ足を運んだ回数はいつもに比べて随分と少なかったが、幸い五嶋社長からは設計、施工の両面で高い評価をいただいた。イカハタさんほか、施工チーム各社の皆さんの臨機応変で丁寧な対応に感謝。
エントランス左脇から見た売場全景。
エントランス正面からフロア左側を見たところ。
エントランスから正面に見た売場全景。壁際の間接照明(光源はシームレスライン蛍光灯)にはダウンライト(光源はLED)よりもやや色温度の低いもの(黄色味の強いもの)を選び、奥行きの印象をより深く強調している。
こちらはフロア左側、レジカウンターまわりの様子。こちらはレジカウンター脇から見た売場全景。モノトーンと明るい木地の空間に、織部釉の陶器タイルだけが色を差す。余白の多いデザインのどこかで、森のイメージを見つけてもらえたなら幸いだ。
岐阜県瑞浪市の陶磁器メーカー・マスターズクラフトがプロデュースする和のセレクトショップ『マスターズクラフト パレスホテル東京』は来週5/17(木)にオープンを迎える。
Masters Craft パレスホテル東京・引渡前最終チェック(2012/4/5)
Masters Craft パレスホテル東京・什器チェックなど(2012/3/30)
Masters Craft パレスホテル東京・内装下地工事(2012/3/23)
Masters Craft パレスホテル東京・織部釉酸洗浄実験(2012/3/14)
Masters Craft パレスホテル東京・B工事中間チェック(2012/3/2)
2012/4/16。『マスターズクラフト パレスホテル東京』C工事引き渡しの前に青山にある商環境デザイン物件を駆け足で視察。
最初に『Found MUJI』青山(2011)へ。無印良品のスタッフが世界各地で発見、もしくはコラボレーションした生活用品が販売されている。場所は青山通りと骨董通りの交差点近く。店舗は無印良品1号店(1983)をリニューアルしたもの。内外装デザインは以前に引き続きスーパーポテト(杉本貴志氏)が手掛けている。上はその店構え。こちらにある写真と比較すると、開口部などはそのままに、主に素材とサインだけが変更されていることがよく分かる。
1、2Fのフロア構成や階段の位置、什器の構成にも大きな変更は無い。ただし、売場は1Fをギャラリー、2Fをショップとしてその性格が明確に二分されている。特に1Fは以前に比較して陳列量が格段に少ない。個々の商品の特徴とバイヤーの意図がしっかりと伝わるだけでなく、木材を贅沢に用いたインテリアと相まって、無印良品ならではの世界観が存分に表現されていた。
2Fに上がると1Fの商品を種類、数量ともにぐんとボリュームアップされた状態で見ることができる。以前の状態に近いのは2Fの方だが、古い人間には1Fの印象の方がむしろ懐かしい。青山3丁目店が無くなってしまった今、コンパクトながら極めて無印良品らしい無印良品が、この地に帰って来たことが意味するものは大きい。
続いて『Cafe & Meal MUJI』南青山(2011)で朝食兼昼食。こちらも内外装デザインはスーパーポテト。場所は骨董通り沿いの小原流会館向かい。上はエントランスを入ってすぐのベーカリーの様子。瓶詰めやポリプロピレン収納ケースを用いたディスプレイ、保存瓶のシャンデリアにモノクロ写真のウォールグラフィック、質感の高い木製什器などの抜かり無い構成は、同系列店のデザインボキャブラリーがほぼ完成されたことを伺わせる。今後はこの南青山店のように『Cafe & Meal MUJI』単独での出店も増やしてゆく方針のようだ。こちらは店内奥窓際のカウンター席からフロア越しにデリカウンターの方を見たところ。この日いただいたプレートはこちらとこちら。
上は『Costume National Aoyama Complex』(2011)。内外装デザインはエンニョ・カパサ氏(Costume National デザイナー)と岡山伸也氏が手掛けている。ブティックとギャラリー、バー、オフィスとゲストハウスの複合施設。骨董通りから小原流会館の信号を曲がってグラッセリア青山の脇道を奥へ進むと右手に白い建物が現れる。
岡山氏は60年代後半から活動する関西インテリアデザインの重鎮。境沢孝氏やアレッサンドロ・メンディーニ氏とのコラボレーションでも知られる。ここでのデザインは岡山氏としては極めてミニマルな部類に入るが、ファサードのガラスに面して天井から吊るされた、高さ・幅ともに5m以上はあろう幾何学模様を描くハンガーパイプは圧巻だ。これだけのサイズの平面的な造作が振れ止めなしで支持されていることは、実際に目の当たりにしてもすぐには信じ難い。最奥の壁面からランダムに突き出した無数のガラス棚の施工も非常に美しい。
Costume National Aoyama Complex
通りに戻って農林水産省共済組合南青山会館の角を左へ曲がりしばらく進むと右手に『Carina』(2009)が現れる。1Fの子供服を中心に2F、B1Fの3フロア(それぞれ45平米ほど)で構成されたブティック。建築設計は妹島和世建築設計事務所。ファサード(上の写真)全面を覆うのはアルミのエキスパンドメタル。大きめのカッティングが青海波を思わせるパターンを描く。こちらはエキスパンドメタルの穴から内側をのぞいたところ。右側にペアガラスのスクリーンが見える。残念ながらこの日のちょうど翌週に閉店されたとのこと。中も拝見しておけば良かった。
通りを突き当たりまで進んで右折。表参道へ出ると右手に『Comme des Carcons』青山店(上の写真)。1999年に川久保玲氏、フューチャーシステムズ、河崎隆雄氏がデザインした内外装をリニューアルしてこの日の前々週末に再オープンしたばかり。ファサードの曲面ガラススクリーンから青いドットが無くなって透明に。インテリアはモノトーンとなった。
できれば『Utrecht』にも伺いたかったが定休日。また次の機会に。
2012年の花見の時期に近所で撮った写真あれこれ。
祇園白川、辰巳明神の夜桜。
鹿ヶ谷、霊鑑寺の椿(他の写真1/写真2)。こちらはその近くの哲学の道。
真如堂、三重塔裏のしだれ桜。こちらは元三大師堂前の桜と梅。
川端冷泉、夷川ダムの桜(岡崎疎水周辺の他の写真1/写真2/写真3/写真4)。
木屋町御池、高瀬川一之船入の桜(他の写真)。
2012/4/6。午後早めの時刻に『月餅屋直正』(つきもちやなおまさ)へ。
木屋町三条の交差点を少し上ると、右手に間口二間ほどの小さなビルが現れる。一文字瓦葺きの庇に掲げられた「月餅」の看板がこの店の目印。木製サッシにガラス張りの店構え右半分を占めるショーウィンドウでその日の品揃えを確認し、左手の引戸から店内へ。網代の格天井にグレーのタイル張りの床。フロア右側にはL字のカウンターショーケースがあり、奥に蛍光灯で照らされた作業場が見える。通路左の壁際には待合用の小振りなベンチ。その上に掛けられた古い看板は1804年の創業時から伝わるものらしい。わらび餅とさくら餅を購入。
上はわらび餅2個とさくら餅の近景。通年でいただけるわらび餅は、澄み切った上品な味わい、そして優しい弾力と消え入るような食感が実に素晴らしい。飾り気の無いさくら餅も、頬張ると鮮やかな春の風味がひろがる。
上は昨年春に購入した菓子の写真。わらび餅と草餅、そして椿餅とごんぼ餅。どれも技有りの美味さだが、特に印象深いのは白味噌餡、梅肉餡、ごぼうを用いたごんぼ餅。素朴にして繊細。
上はまた別の日に撮った『月餅屋直正』の店構え。西日の差す時間帯にはこうしてテント地の暖簾が下がり、ただでさえ控えめな店の存在を覆い隠してしまう。それでもわらび餅をはじめとする人気の品を手に入れるためには極力早めに伺う心づもりが必要だ。
月餅屋直正(食べログ)