中国建筑工业出版社から2012年11月に発行の「室内设计师(INTERIOR DESIGNER)」vol.38に「阿佐谷銘茶楽山 新店」(2008)と「Masters Craft パレスホテル東京」(2012)の2作品が掲載されています。「LOVE THE LIFE工作室 和风小店二则」なる記事タイトルの背景にあしらわれた柚子のイラストが不思議ではありますが、なんだかほっこりして良い感じかもしれません。
商環境デザインを特集した誌面には、他にも「Alter Concept Store in Shanghai」(3GATTI / 2010)、「My Panda」(TORAFU / 2012)、「Red Pif」(Aulík Fišer Architekti / 2010)など世界各地のユニークな作品が多数紹介されています。全文簡体字によるエディトリアルデザインは日本の雑誌に比べて実に見やすく洗練されており、的確な写真の選び方・使い方にも好感を持ちました。
今後、東アジアにおけるデザイン情報の発信源はより一層多様化し、東京も大阪もその他の地方都市も、等しくその片隅に位置付けられてゆくのでしょう。本当に面白い時代になったものです。
室内设计师(INTERIOR DESIGNER)vol.38 (idzoom)
12/11。「ふつうの家02」現場へ。木製建具の設置工事が始まった。
南東角からの外観。和室の障子枠と縁側の掃出窓枠が納まった状態。
東側中央寄りから和室内を見たところ。細かな縦横線の織り重なり。
東側中央・玄関とリビングルームの間に取り付けられた欄間のディテール(リビングルーム側からの全景)。以前の邸宅から引き継いだもの。こちらは北西角・個室2の様子。個室1、主寝室、WCにも和室と同様に変則的な縦繁の猫真障子が取り付けられた。
室内壁の左官工事はすでにほぼ終了。和室や玄関が藁入りの聚楽壁に(拡大するとこんな質感)。上は和室の床の様子。月形の飾り窓が品よく納まった。
玄関の飾り棚。こちらは「なんちゃって」にじり口を含む玄関南側の壁面全景。
北側中央・WCには陶製の手洗器が取り付けられた。
夕刻。先ほどの欄間の下にもようやく障子が付いた。建具屋さんの肩越しに見えるのは左官屋さん。玄関と勝手口床の墨入モルタルの下地を施工中。
日が暮れて、庭から眺める和室の様子はまるで宝石箱のようだった。これもまた工事中だけの儚い光景。
12/13。先述の墨入モルタルが仕上がった。
個室2にある吊戸棚のルーバー(中にエアコンが納まる)を取付中の建具屋さん。この現場では収納類の扉も建具屋さんの仕事。こちらは南西角・主寝室の収納まわり。
先のルーバーを電動鉋で細かく調整中の建具屋さん。こちらは勝手口とリビングルームの間の三枚引戸。不便と言えば不便だが、あえて庶民的な京町家の風情を引用した。
南東角・和室の縁側には雨戸が取り付けられた。上部に通気用の無双窓。北側中央・洗面室では洗面台の設置が完了。
12/14。引き続き建具工事。この日も夜間までの作業となった。上は東側中央・玄関越しにリビングルームを見たところ。玄関引戸の格子は住宅としては割に細めの15mmピッチ。
畳の設置が完了した和室。これで建物としてはどうにか全体的にかたちにはなった。ガラス工事や電気工事など、細かな作業を数多く積み残したまま、翌日から2日間のオープンハウスへ突入する。
12/7。「ふつうの家02」現場へ。
西側と北側の開口部への格子の取り付けが完了。同じ側の軒には雨樋も。
南側と北側の軒への簾掛けの取り付けも完了。
室内では壁装クロスの施工が始まった。主な居室の壁は土佐和紙で仕上げられる。上の写真は南側中央・リビングルーム。下地となる石膏ボードの継目などにパテ処理をした状態。
土佐和紙クロスに糊付をする経師屋さん。
土佐和紙クロス張りの様子。
北西角・個室2のクロス張りはすでに完了。
12/8。全ての壁装クロス張りが完了。リビングルーム全体が優しくすっきりした風合いに包まれた。
キッチン手前の天井からペンダントライトが吊り下げられた。直径50cmほどの大きな球体がこの部屋にはちょうど良いアクセントとなる。
12/3。「ふつうの家02」現場へ。クライアントのお引っ越しを年内に控え、外構を除く全工程がいよいよ大詰め。
朝靄の大文字山東峰と建物の西側全景。ジョリパット(汎用左官材)が塗り終わり、だいぶ落ち着いた外観となった。こちらは南東角から見た道路越しの全景。
北東角からの全景。ガス配管工事が進行中。
同じ方向から見た方形屋根のディテール。晩秋の空とゆるやかなむくりのライン(東側正面/南東角)。
造園屋さんの作業が始まった。先ずは各出入口への沓脱石の設置。上は南側中央・リビングルーム用の大きめの石をクレーンで引き上げているところ。
「なんちゃって」にじり口用の石をチェーンブロック付きの三又で引き上げているところ。丸太を三本束ねただけの道具だが、これが職人さんの手に掛かると実に目覚ましい威力を発揮する。この後、台車に乗せて定位置へ移動。こちらはひとまず沓脱石の設置を終えた玄関と「なんちゃって」にじり口の様子。外構に使用される自然石や石灯籠は、ほとんどが以前この場所にあった邸宅から譲り受けたものだ。こちらは東側の庭で使用予定の三和土(たたき)のサンプル。一通りの沓脱石を設置後、主に玄関まわりの高低差の処理方法について造園屋さん、現場監督・谷口さんと打ち合わせ。
建物内では塗装作業が進行中。木地仕上げの部分にオイルステイン(クリア)を塗装しているところ。建物中央・キッチンまわりのボリュームにはセンの突板が短冊張りされている。こちらは設置を終えたキッチンカウンター。こちらは東側玄関と和室の角にある電話台。夥しい配線の束がぶら下がった棚上段には近々分電盤がやってくる。
キッチンと西側中央・個室1との間の廊下天井(セン突板)を小気味良い手つきで仕上げる塗装屋さん。
南東角・和室の木造作もほぼ完了している。床には北山杉天然絞の丸太と月形の飾り窓。仕上げはまだこれから。
和室天井のディテール。ヨシベニヤに竹の装飾。こちらは床・飾り窓まわりのディテール。ラスボード(グレーっぽい部分)の部分は藁入りの聚落壁となる。こちらはフロア中央・掘りごたつのディテール。
東側中央・玄関脇にはちいさな飾り棚。
主に西側の開口部に取り付けられる木格子。かなりの大きさ。
南西角・主寝室のクローゼットまわり。扉を除く造作はほぼ完了した。こちらは南側窓脇のちいさなワークデスク(耳付きのトチ材)。こちらは内装をほぼ終えた北側中央・WCカウンター(こちらもトチ材)まわりの様子。
夜間までの作業となる日が多くなってきた。皆様どうぞご安全に。
10/29。「ふつうの家02」現場へ。大工工事もそろそろ佳境に差し掛かろうとしている。
外壁は下地モルタルを塗り終えた状態(南西角の拡大写真)。この上にジョリパット(汎用左官材)が施される。こちらは下地窓の様子。
東側中央・玄関と勝手口にはラワン合板の仮設引戸が取り付けられた。こちらは敷居石のディテール。白御影に真鍮レール。
南東角・和室の縁側もラワン合板でひとまず塞がれている。
縁側軒と和室欄間下地のディテール。こちらは南西角・主寝室と南側中央・リビングルームの間に建具枠が取り付けられた様子。こちらはすでに施工を終えた北東角・ユニットバスルームを北側中央・洗面室から見たところ。
作業の合間に黙々と継手を修練する若い大工さん。
作業台に並ぶ鉋の数々。
11/2。特別な床板や家具天板に用いる材木がやってきた。以前この場所にあった旧家の部材と、竹内工務店社長お薦めの木を贅沢に使わせていただく。
東側中央・玄関から南東角・和室への入口となる「なんちゃって」にじり口の地板は旧家の古材(マツ)。その施工中の大工さんと現場監督・谷口さん。こちらは取り付けがほぼ終わった状態のディテール。
北側中央・WCにはトチの手洗カウンターが取り付けられた。小さいながらも予想以上に面白い場所が出来そうだ。
10/19。「ふつうの家02」現場へ。外装下地と内装工事のチェック。
秋晴れの大文字山東峰と西側全景。外壁が防水シートとワイヤーラスで覆われている(南西角の拡大写真)。
南側中央・リビングルームの天井には仕上げのヨシベニヤがほぼ貼り終わっていた。こちらは北側のキッチンの方を見たところ。
キッチン側からのリビングルーム天井見上げ。こちらは頂部の拡大写真。天井の折目には後日化粧材が施される。
黙々とキッチンのウッドフローリングを施工する若い大工さん。こちらはまだ床が下地の状態のキッチンから東側・玄関/勝手口を見たところ。
玄関の天井にもヨシベニヤ。北西側・個室1と2の天井も同様に仕上がった。こちらは天窓まわりの拡大写真。
玄関開口部左上角の様子。建具枠と欄間と下地窓。
北東角・ユニットバスルームを施工中の様子。こちらは北側中央・WCの傾斜した天井に換気扇が取り付けられた様子。
ふたたびリビングルームに戻って南西側見上げ。今後内装仕上げ進むに連れて、異形の天井がより一層強調されてゆくだろう。