2012/12/25。「ふつうの家03」現場へ。
南側の庭にクレーン車を乗り入れて一気の上棟。様々な材木が押し寄せては組み上げられてゆく。
先日京北で加工された構造材たち。
軒を支える丸柱にはあらかじめ束石を取り付けておく。
で、クレーンで吊り上げて定位置へ。大工さんのジェスチャーを確認しながら、素早く正確に部材を運ぶクレーン運転士さんの美技には驚くばかり。
南側中央・リビングルームからキッチン側を見たところ。中央に北山杉丸太の大黒柱。
キッチンから大黒柱越しに南東方向を見たところ。
軒の梁を木槌で叩いて柱と接合する大工さん。
庭から見た南側正面外観。大方の部材が組み上がった。お隣の「ふつうの家02」とは異なり、「ふつうの家03」はシンプルな妻屋根の平屋となる。
上棟なった「ふつうの家03」を前に佇む竹内工務店社長。向こうには「ふつうの家02」。
この一連のプロジェクトで最も重視したのは、「02」の高さを抑え、「03」の南側を空白の庭として残すことだ。やがて仮囲いが撤去されれば、この住宅密集地の真ん中に、大文字山東峰へのゆったりとした眺望が現れる。
お山の上には夕暮れの月。
2012/12/17。「ふつうの家03」構造材手刻みの現場などを見学。竹内工務店社長のご厚意で京北地区にあるいくつかの施設をご案内いただいた。
嵯峨野から車で30分ほど。右京区の山あいにある京北森林組合加工センターは国産材専門の製材工場。
その一角にある倉庫前で作業中の大工さん。「ふつうの家03」の構造材はここで加工された後に現場へと運ばれる(「02」もそう)。
製材を終えて積み上げられた部材の数々。
もう一枚。こうしたシャープなエッジは手刻みならでは。強度的にも機械によるプレカットに比べて優れた点は多い。ただし大工さんの腕が熟練していればの話し。
山積みの角材。こちらにもう一枚。
倉庫内の様子。美しく製材された北山杉の丸太がずらり。こちらには長さ20m級の木材がどっさり。
製材所の外観。杉の丸太組による大きな建物。隣地には別組織の「京北プレカット」があり、機械によるプレカット加工を行っている。こちらは集成材の大架構。
嵯峨野までの戻りに「京都北山杉の里総合センター」にも立ち寄らせていただいた。上は展示ホールの様子。中央に見える床柱の展示コーナー足下には、この地域にある「菩提の滝」で採取された丸太磨き砂が敷かれている。
北山杉の高級丸太はこの砂を用いて素手で磨かれる。これは古くから女性の仕事だったのだそうだ。上はその様子を記録した写真展示の一部。
上は「京都北山杉の里総合センター」の裏山。人手の行き届いた杉木立は実に美しい。
嵯峨野へ戻って電車を乗り継ぎ現場へ移動。足場が組み上がった状態。軒の柱基礎には束石が仮り置かれていた。
基礎南側中央にはリビングルームから軒下のテラスへの大きな踏石が。「ふつうの家02」と同様、こうした石材は以前この場所にあった邸宅から引き継いでいる。
2012/10/19。「ふつうの家03」現場へ。
西側からの基礎全景。奥の仮囲いは「ふつうの家02」。東隣の敷地で4ヶ月あまり遅れての着工となった。施工担当はこちらも竹内工務店さん。こちらは南東角から見た基礎全景。
北西角の近景。ベタ基礎の下地となる範囲に割栗石を突き固め、そのまわりに捨てコンクリートが打設された状態。北側には設備配管が立ち上がっている。こちらは南西角の近景。軒を支える基礎のコンクリートがすでに施工された状態。
11/13。南西側からの基礎全景。割栗石が防水シートで覆われ、基礎コンクリートの型枠と配筋が出来上がりつつある状態。中央は打ち合わせ中の現場監督・谷口さんと平塚さん。
11/28。西側からの基礎全景。コンクリートの打設が完了した。奥に見えるのは外装工事を終えた「ふつうの家02」。こちらは南西角から見た基礎全景。
北東角から見た敷地全景。西側前面道路はちょっとした桜並木となっている。
12/13。南西角から見た敷地全景。上棟を控えていよいよ足場の組立が始まった。初冬の大文字山東峰を背景にふたつの現場が並ぶ。こちらは南東側から見た敷地全景。
2012/12/20から22の朝にかけて「ふつうの家02」の完成写真撮影。クライアントご家族のお引っ越しを直前に控え、室内外で残工事が行われる中をかいくぐり、撮れるところだけをどうにか撮り切ろうという強行軍。
和室の床にはクライアントからお借りした軸と花器。勝野が山帰来と柚子をあしらった。
フォトグラファーはいつもお世話になっている佐藤振一さん。今回は4×5のカメラと8000万画素のデジタルバック(Phase One社製)のセットをメイン機に、NikonのD800(関連サイト:その1/その2)をサブ機として使用。アナログからデジタルへの以降後、あの佐藤さんをしてようやく「本来の自分に戻った」と言わしめたマニアックかつ最強のハードウェア群。
以下の写真は残念ながら勝野とヤギが撮影したもの。
東側中央・玄関からリビングルームを見たところ。
南側中央・リビングルーム全景その1。
リビングルーム全景その2。夜の写真はこちら(その1/その2)。
リビングルーム天井見上げ。
南東角・和室全景その1。
和室全景その2。
玄関南側「なんちゃって」にじり口から和室をのぞいたところ。
北側中央・WC。
北西角・個室2全景。
西側中央・個室1全景。こちらは南西角・主寝室全景。
南側庭からリビングルーム越しに和室を見たところ。建物の東側全景はこちら(その1/その2)。
佐藤さんには庭や外構の工事が落ち着いた春頃に再度撮影にお越しいただく予定。正式な完成写真は初夏の公開となる。
2012/12/15と16の二日間、「ふつうの家02」のオープンハウスが行われた。
和室まわりなどにガラスの入っていない箇所があったり、照明がまだ点かなかったり、外構はまったく出来ていなかったり、と言った状態ながら、クライアントのお引っ越し前にお披露目できるチャンスが他になかったためとりあえず。そんなわけで私たちはほとんど告知をしなかったが、施工担当の竹内工務店さんに様々なご紹介をいただきつつ、一日の陽の移ろいをゆっくりと確認することができた。上は16日の昼下がり、南側中央・リビングルームの様子。
12/17。外構工事がスタート。上は南東角からの外観。和室の雨戸が閉まった状態。建物まわりの犬走りと道路境界部分の型枠と配筋が施工されているところ。
東側中央・玄関まわりの様子。こちらは道路境界部分。玄関内部・北側の壁には曲がった木の手摺が取り付けられた。部材は以前の邸宅から引き継いだもの。
電気工事もようやく仕上げ段階。上はインターホンの細かな取り付け位置を現場監督・谷口さんと打ち合わせ中の勝野。
夜も更けた頃にリビングルームの間接照明が点灯した。構造補強用の火打梁とともにヨシベニヤの天井が柔らかく浮かび上がる。広さ12畳ほど、高さ5m弱の室内のあかりはこれだけで十分。あとはダイニングテーブルの予定場所にペンダントライトがひとつあるだけだ。
昼夜の光がきまると、内装屋としての仕事を果たせつつある実感がようやく湧いてほっとする。
12/18。前日に出来た型枠と鉄筋にコンクリートが流し込まれた。上は玄関まわりの様子。
こちらは南側の様子。奥の職人さんはコテ押さえの作業中。
道路境界部分には小さなステンレスプレートの標識が埋め込まれた。上の黒い矢印の標識が東側前面道路が将来拡張された際の境界。下の赤い矢印の標識が現在の境界を示す。