6/18。「マスターズクラフト さくらタワー東京」現場へ。岐阜県瑞浪市の陶磁器メーカー「マスターズクラフト」が手掛ける和雑貨店。2002年の 品川プリンスホテル、2012年のパレスホテル東京(2012)に続いて、3度目のお手伝いをさせていただくことになった。
品川駅高輪口から徒歩数分のホテル「ザ・プリンス さくらタワー東京」外観。村野・森建築事務所(現・Murano Design)設計の建物は、簡潔で整然とした全体に可愛らしいディテールを控えめに散りばめたインテリアが特に魅力的だった(当時の写真はこちら)。現在ホテルはリニューアル工事中で、これらの造作は既に存在しない。
マスターズクラフトの入居するテナント区画正面外観。この時点ではホテル直営の雑貨店が営業中だった。
今回の設計条件は古い商業施設ならではの厳しさだ。退店時には現状復帰が原則なわけだが、照明器具や空調設備、天井やサッシなど、写真で見ることのできる造作は什器類を除いてほぼ全て既存品。基本的にはいつでも撤去可能な置式の造作のみでほぼ全てのデザインを完結させる必要がある。こちらは区画内西側から東側を見た全景。
区画内北東側から南西側を見たところ。南面には大きな窓がある。
南側窓から外を見たところ。築山を覆うツツジの植え込み、さらに被さるモミジとサクラ。什器とレースカーテンに遮られていたこの眺めが、今回の私たちのデザインの発端となった。
こちらは共用通路側サッシ、エントランスドアのハンドル。こうした細部を含め、村野事務所によるデザインのさりげないエレガンスに応えるものができれば幸いだ。