12/22。ここのところにわかに脚光を浴びている(心臓手術ミスで)東京医科大病院でヤギの原田病経過診察。
退院後もステロイドを服用しながら3週間に一度くらいのペースで通院してはいるものの、ここ数週間くらいは視力の低下も疲れ目も全く意識していない。気分的にはほぼ完治。この日の診察も問題無し。
ブレドニゾロン錠は一日おきの1錠(たぶんステロイド0.5mgに相当)にまで服用を減らすことになった。年明けすぐに一度採血して、検査結果に異常がなければ(免疫抑制機能が順調に回復していれば)1月半ばには薬漬け生活から開放される。
10/3に退院しました。娑婆の空気はうまいね。
今もMacでの図面作業中に細い線がわずかにヨレたり、相変わらず暗いところが見えにくかったり両眼視がうまくできなかったりはするんだけど、眼はゆっくり着実に回復中。一時期はガタ落ちだった視力がここ数日でだいぶ回復したのが嬉しい。
眼底の断面スキャン映像によるとぶどう膜の腫れはほぼ完全に直っている様子。あとは伸びてくたびれた網膜の状態が良くなるのをじっくりと待つことになる。
ステロイドはその後もゆっくり減量しつつ服用中。 今はプレドニゾロン錠を朝3錠に昼1錠。たしか合計でステロイド2mgに相当するはず。再来週あたりまではこの量。その後はもう少し減らしてゆけるだろう。副作用で顔の輪郭が少し丸くなったのはまあ気になると言えば気になるけど、かえって健康的な見た目になったかも。幸い他には厄介な症状は全く出ていない。
退院療養計画書によると、アルコールは少量なら可、仕事は事務程度まで可、スポーツ不可、重いものを持つ事不可、旅行・乗物不可、読書・テレビ・パソコンは疲れない程度なら可。アルコールはステロイドの副作用のせいで胃に炎症が起こりやすいから少ししか飲めないんだそうだ。旅行については、これまたステロイドのせいで免疫力が弱っているため、万一のケガとか病気の感染に病院が即応できるよう遠くに行くな、と言う事みたい。まあ、十分気をつけて薬を飲むのを忘れなければ大丈夫でしょう、とのことだった。
規則正しい入院生活のおかげで眼以外は絶好調なんだけど、しばらくはおとなしく過ごしたほうが良さそうだ。なにしろ再発するとシャレにならない病気なので。
その他、メチコバール錠(末梢神経障害の改善)、セルベックスカプセル(胃潰瘍や胃炎症状の改善)、コメリアンコーワ錠(血管を拡げて眼に負担をかけないようにする)を毎食1錠ずつ服用中。あと、リンデロン液(眼や鼻、耳の炎症やかゆみ、アレルギー症状を改善)を一日に4回点眼。早く薬漬け生活から解放されたい今日この頃。
そんなわけで、ヤギは元気です。どうぞご心配なく。ご連絡いただいた皆様、お見舞いにきて下さった皆様、本当にありがとうございました。
ヤギの入院生活11日目9/27。
昨日書き忘れたんだけど、外に出る時に点滴プラグを外してもらってねじ式の生活におさらばした。曲がりにくい左腕を気にせず眠ることができてさわやかな目覚め。
今日も午前中に恒例の点滴。で、これが最後の予定。ステロイドの投与料は4mgにまで減った。いつも通り2時間くらいで流し込んだら、ついに点滴そのものとおさらばだ。以降は飲み薬に切り替えて、さらにじっくりステロイドの料を減らして行くことになる。この段階で具合の悪くなるヒトが結構多いみたいなので、もう少しだけ入院しておかなくてはならない。
正午辺りに一度いつもの診察。検査の前には瞳孔を開く目薬を差さなくてはならない。差して20分くらいで細かい文字が全く読めなくなり、やたらと照明が眩しく感じるようになって、その後数時間の間、本調子には戻らない。そんな状態の眼にレンズなどを使って直接照明を当てながら患部を診察する。当然眩しくてたまらない。診察後、担当医の方に「経過がよければ今週末に退院できますよ」と言われて一安心。
今日は17:30辺りにもう一度さらに恐ろしい診察を受けなければならなかった。蛍光剤を注射されながら、眼底の写真を段階的に撮影するというもの。眼の前でフラッシュがバシバシたかれる。しかも指示された方向に視線を向けるように言われる。無理っす。キツ過ぎるっす。と、涙ながらに訴えたところで、写真がうまく撮れるまでは無理矢理まぶたをこじあけられて、何度でもフラッシュ攻撃が繰り返されるというほとんど拷問に近い内容、と言うか拷問。撮影中と撮影後少しの間は毛細血管中(網膜にも)に蛍光剤が流れているため、世界が赤や黄色の安っぽいフィルターを通したように見える。これがまた地獄な気分を盛り上げるわけだ。
18:00前にどうにかクリア。そこそこいい写真が撮れたようで何よりだ。
以下私信。
>謙太郎さん
先週は素敵なCDを大変ありがとうございました。いい感じに眠いです。
>古井ちゃん
今日はおいしいお煎餅をありがとう。パルコの仕事拝見させていただきます。
>佐藤さん
SFからエアーメールをありがとうございました。直接病室に届いたから驚きましたよ。
ヤギの入院生活10日目9/26。
視力はほんの少しずつ回復中。視界の歪みと極端な疲れ目の症状はほぼなくなった。両目視がきつめ(手元は頑張ればクリアになるけど、数メートル以上先の焦点がどうしても微妙に合わない)なのと、コントラストへの対応が弱い(暗いところがかなり落ち込む)のは全く治らない。あと、iBookのモニターはどうにも見えづらい。それでもずいぶんとまともに見えるようにはなったわけで、おかげで気分も晴れやかになってきた。読書したり、MUJIの方眼ノートにスケッチを描いたりしながらリハビリ中。
そして今日は初の外出許可が出た。よし、とばかりに茅ケ崎へ山海塾の公演を見に行くことを決定。しかし、いざ張り切って病院の外に出たものの、以前とはいささか異なる不鮮明な世界を眼のあたりにして正直いきなりへこんでしまった。気分のせいか、運動不足のせいか、胸の真ん中辺りが少し苦しい。山海塾、ちゃんと見れるかなあ。
横浜の駅で勝野と合流し、茅ケ崎文化会館の座席に着いたころまでは自分でも顔色が悪いのが分かるくらいの状態だったんだけど、ステージがはじまってしばらくすると体調は全然気にならなくなった。少しくらい見えづらくても、10年以上ぶりの山海塾はあまりに素晴らしかった。ダンスパフォーマンスの分野で、彼らほど明解で、ユニークかつチャーミングで、圧倒的に美しい表現を持つカンパニーを私たちは他に知らない。無闇におどろおどろしいものを想像して食わず嫌いになってるヒトは、はっきり言って不幸である。
山海塾については退院したらもう少し詳しい感想を書くことにしよう。
それから茅ケ崎の南口にあった料理居酒屋で食事して(炭火焼きの魚の一夜干しが旨かったが、悲しいかなアルコール抜き)、21時過ぎに病室に戻る。帰りの体調はすこぶる良好。
ヤギの入院生活6日目9/22。
左右の眼ともに視界の歪みはかなり小さくなった。しかし暗いところが見えにくいのと、両眼視のキツさは全く治らない。それに恐ろしく眼が疲れやすくて、活字を10分も見てたら視界がぼんやりかすんでしまう。これじゃあ全然仕事にはならないなあ。。。
この症状は気長に治すしかなさそうなので、変化があるまで闘病記はお休み。果たしてこの病気、完治するのだろうか。不安になって来た。
今日は市川平さんがお見舞いに来て下さった。ご心配いただいて大変恐縮です。退院したら焼肉行きましょう。
ヤギの入院生活5日目9/21。
左目の歪みもまあまあ良くなって、キツいながらもなんとか両眼視らしいことがてきるようになって来た。暗いところはやはりあまり見えない。ステロイドの投与量は今日からかなり減っているはず(点滴のバッグの見た目では分からない)。
午後遅めに聴力検査。原田病では耳の感度が悪くなることも典型的な症状のひとつらしい。以前から人の話しの聞こえがなんとなく悪いような気がしてたので(特に勝野に指摘されて)ちょっと気になったんだけど、検査結果はほぼ絶好調とのこと。どうやら性格の問題だったか。
網膜断面スキャン画像を見ると、腫れはまたほんの少し引いている。このペースだと完治にはやはり2、3ヶ月はかかりそう。
ヤギの闘病入院4日目9/20。
またほんの少しだけ良くなった気がする。でもまだ左目の歪みはかなり気になるし、相変わらず暗いところはあまり見えない。ステロイド大量投与の点滴は最後の3回目。昼食後に一度検査。
夕食時にウエハラ先生とサカイ先生がお見舞いに来てくれた。お花とおいしそうなパンと面白CDなどをいただく。ありがとうございました(感涙)。勝野がフログに詳細な面会方法を書いていることを聞いて恥ずかしさのあまりまた視界が歪む。
入院してから左腕にはずっと針が刺さりっ放しで、いつでも点滴OKな状態になっている。髄液採取の痕のこととかが心配で(なにしろ今は免疫力がガタ落ちなのだ)、いままで入浴は控えてたんだけど、さすがに気持ち悪い。担当医の方に了解をもらって、左腕にしっかりビニールを巻き付けてシャワーを浴びた。
ヤギの入院生活3日目9/19。
朝になると視界はさらに良好になっていた。右目はもうちょいで仕事に使えそう。左目も回復傾向にはあるんだけど、まだグニャグニャ感がキツい。
ステロイド点滴1000mgの2回目。昼食後に一度検査。患部を断面的にスキャンした画像を見ると、たしかに腫れは少し引いていた。しかし浮き上がった網膜が完全にくっつくまでにはまだ時間がかかりそうだ。
夕方になって勝野が病室に。時計とiBookを持ち込んで、院内の外れの極力人迷惑になりそうにない場所でネット接続を試みるも、全然ダメ。結局諦める。
胃の痛みはほとんど収まった。なんとか『パルス療法』を乗り越えられそうな予感。
ヤギの入院生活2日目9/18。
像の歪みはますます酷い。近視化が進み、暗いところでの視力が極端に弱くなった。目の奥の検査のために瞳孔を開く点眼薬を差しているせいもあって、かすみ目が激しい。ぼんやりとしたかたちと大体の色だけしか判断できない状態。
11:00頃から2時間ほどかけてステロイド点滴1000mg。ステロイドってのは普通に体内で生成されているホルモンの一種らしいんだけど、その量は通常わずか5mg程度。ってことは一気に半年分以上ドカンと来たわけだ。まずはこれを3日間続ける。午後から夜にかけて3回ほど経過を見るための検査。残念ながら体感的にはまったく状況は変わらず。まあそんなに急激に良くなるわけないか。
消灯時間の21:00を過ぎた頃、かすみ目が和らぎ、なんとなく像の歪みが少なくなってきた。やっと目の奥の炎症が収まってきたか。しかしステロイドの副作用のせいで胃がキリキリ痛い。
ヤギの入院生活1日目9/17。
入院手続き後すぐ病室へ。担当医の先生から病状とこれからの検査と治療方法について丁寧な説明を受ける。これがインフォームドコンセントってやつ。治療方法には何通りかあるらしく、そのメリット・デメリットを聞く。『ご家族の方もいいですか?』って聞かれるけど、インターネットで調べた中から心配な点(ステロイド剤が怖いから...)を先生に質問。何でも相談できるので、納得して治療が受けれるのでいいシステムだ。その代わり『この説明で納得して治療を受けます』って誓約書を本人&家族もサインさせられるんだけど。
その後今回の検査中で最も過酷な『髄液検査』。先生もコレは痛いぞ〜って脅すんだよ。拒否するわけにもいかないので緊張しながら受けてみる。...まず皮膚の麻酔注射。チックとするだけ。続いて髄液を吸い出す注射器を刺され、吸い出すのに2〜3分掛けるものの全然痛くない。なーんだ、痛くないじゃん、よかった。『心電図』『採血』『髄液』検査等の結果、治療方法はヤギの場合『パルス療法』に決定。現在の医療技術ではこの病気にはステロイド剤を使用する以外方法は無いらしく、この『パルス療法』でもステロイド剤を使用する。『パルス療法』は一度にどっか〜んと大量にステロイド剤を投与して、まずは症状を早く和らげ、その後短期間で投与量をガクンと落す治療方法らしい。
メリット&デメリット:入院期間が短い。体力・体質に合う合わないがある。普通の投与方法との治療成績の差は無い。
ヤギは体力もあるし、髄液検査でも髄膜炎は併発していないらしくこの治療方法が最適ということらしい。お医者様を信じてこれでお願するよ。入院期間は約3週間。その後2〜3ヶ月通院。ご心配いただいております皆様、病室と同じフロアにある食堂でおしゃべりもできるので、お暇な折に来ていただいても大丈夫です。
東京医科大学病院 15階西棟/1561号室
面会時間/平日15:00-20:00、土13:00-20:00、日12:00-20:00
外来正面玄関となりの入退院口玄関の窓口で面会手続き後、15階西棟のナースステーションで看護師に面会の旨をお告げ下さい。(病院内は携帯電話等モバイル機器の電源をすべて切っていただきますようご配慮お願いします。)
ヤギの居ない間、lifeは勝野が更新していきます。メールの設定すら自分でしたことが無い、HTMLなんか一度も触れたことない。入院前に2時間程レクチャーされた。なんだーやれば簡単じゃん!ここの画像アップとリンク貼ることだけは何とかできそう。もし変な所があったらWEBに詳しい方々助けてね。(笑)
9/16。朝8:30に新宿の東京医科大学病院へ。ここ数日の間、ヤギは視界の一部が微妙に歪んで見える(しかも左右の目で歪み方が違うので焦点が定まらない)という困った状態に陥っていて、眼科医院2件を経た後にここへ行き着いた。
大きな病院のあちこちで検査やら診察やらを受けながらぐるぐるさまようのは今までに無い経験。勝手は分からないし、いちいちやたらと時間がかかるけど、他の人の行動を観察したり、天井に敷かれたレールにぶら下がった頑丈そうなプラスティックケース(カルテとかの書類が入ってるのかな?)が驚くほど立体的で複雑な軌道を描くのを眺めたりしながら、それなりに楽しんで過ごす。
結果、ヤギの症状は「原田病」にほぼ間違いないとのことで、明日から入院。なんだかものすごくシャレにならなそうな病名だ。ショックのあまり、ますます視界が歪むヤギ。いきなり「じゃあ勝野、あとのことはよろしく(いろんな意味で)」ってな緊急事態となって、意気消沈しつつ病院を後にした。
果たしてちゃんと直ってくれるだろうか。。。
で、西口のヨドバシでiMacG5の現物に触ってみたり、無印良品で入院グッズを購入したりして帰宅。